ケインズの投資について-15 1937年後半の市場見通し-3 Keynes’ Investments-15 His views on the market in later 1937-3
売却を進め、借入金を減らす - 37年後半 株式市場が変調を来す中、1937年後半、借入金へのカバーの増額を要求されるにいたった。ケインズは、借入金を減らすこともあり、証券の売却を進めることになる。借入残高は36年末の約…
~ 株式会社ゼネラル・カラー・サービス 中湖康太 経済文化コラム ~
売却を進め、借入金を減らす - 37年後半 株式市場が変調を来す中、1937年後半、借入金へのカバーの増額を要求されるにいたった。ケインズは、借入金を減らすこともあり、証券の売却を進めることになる。借入残高は36年末の約…
実体経済を写す以上に下落した市場価格 - ケインズの見方 1937年の景気後退による市場価格の下落についての見方を示している。「実体経済を写す以上に下落した市場価格」という見方はバリュー投資家としてのものである。そして、…
1937年後半の市場見通し ケインズは、その2日後、F.C.スコット宛に自らの見解を療養中のウェールズ、ルーチンから送っている。(ケインズは、36年夏より体調が優れず、37年半ばに心臓発作で倒れた。46年に同じく心臓発作…
試練の年 - 1937年後半 1937年後半は、ケインズにとっては試練の時となった。ケインズは引き続き、強気の立場をとったが、商品相場での損失額は膨らんだ。7月半ばにR.F.カーンに次のように述べている。 現状売却するこ…
コモディティー投資 その2 株の次に、商品で儲けたケインズ ケインズが、生涯で一番儲けたのは証券投資である。それは生涯投資所得の約86%に及ぶ。 次に設けたのがコモディティ投資であり、それは生涯投資所得の約9%になる。 …
コモディティー投資-1 一般理論の利子論、貨幣論の形成に寄与したコモディティーへの投資 ケインズはコモディティーへの投資も積極的に行った。コモディティーへの投機・投資の経験、及びそこから得られた洞察は、ケインズの一般理論…
36-37年 生涯最高の稼ぎ 米国経済の回復 1936年、37年の2年は、前述したようにケインズの生涯でもっとも証券投資で儲けた年だ。一般理論の出版が1936年なので、理論と実践が結実した象徴的な年となった。勿論、良好…
投資会社役員会の運営 イギリス人的皮肉 ケインズの前述33年11月23日の手紙に対して、F.C.スコットは、ケインズが同意しなかったという1930年以前の失敗した米国証券への投資に対して、当時、「君が反対したという記憶は…
米国証券への投資 ケインズは、1929年のニューヨーク市場の大暴落以降、むしろ米国証券へ積極的に投資した。プロヴィンシャルの中で、低迷する米国証券への投資に懐疑的な意見があった。それに対する反論が下記の書簡だ。この書簡か…
上昇後も継続保有を主張 ケインズは、さらに8日後の8月23日にスコットに金株についての書簡を送った。スコットからの手紙(15日、16日)に対する返信だ。ここでケインズは、金鉱株(gold mining shares)と…