東上線沿線の賃料(3) 駅近、築浅、20㎡以上の1R、1K の賃料水準
東武東上線沿線、池袋駅から10分以内の大山駅、中板橋駅、ときわ台駅、上板橋駅から徒歩7分以内、築7年以内の専有面積20㎡以上の1R、1Kの募集賃料をみることにしよう。
これは、単身者が利便性が良く、かつゆったりと快適な生活をするための居住環境を得るための賃料がどの程度かをつかむためだ。テレワークへのトレンドも視野にいれている。
SUUMOで、上記の4駅、徒歩7分以内、築7年以内、1R、1K、アパートを指定して検索をかけた。そのリストから成約実績が反映されていない新築募集物件を除いた。新築募集物件の賃料は、多分に賃貸主側の希望が反映されていると思われるからだ。また、ゆったりとした単身生活、テレワーク、在宅勤務へのニーズを考慮して20㎡以下の物件は除外することにした。
SUUMOの検索結果では、物件総数は311件と多くでたが、これには、20㎡以下の物件と、新築募集物件が含まれていること、また、重複が必ずしも排除しきれていないことなどのためである。例えば同じ物件でも取り扱い不動産会社で異なる物件名称を使っている場合がある。
詳しくみていくと、上記の条件にあてはまるのは、添付の13物件になった。この13物件の平均は、駅から徒歩6分、築4年(3.7)、3階建て(2.7階)、募集物件の階層は2階(1.6)、専有面積23.94㎡。平均月額賃料(管理費込)は77,550円で、㎡単価3,284円、坪単価は10,855円。
これが利便性に優れ、比較的ゆったりとしたパーソナルライフ、またテレワーク、在宅勤務を可能にする賃料といえるだろう。個別に確認する必要はあるが、基本的にはWi-Fiなどネット環境を含んだもの。
池袋駅まで徒歩を含め20分以内で到達可能で、近隣商業、医療、教育文化施設なども整っている。
余談になるが、筆者は、証券アナリストの経験からバリュー投資の視点が身に沁みついている。そういった点からも、板橋区の不動産は、都心近郊の住宅地域としてかなり魅力的であると言える。
板橋区は近年、医療、子育て、教育、文化、緑の環境整備などにも積極的に取り組んでいる。地域の魅力を高めること、人口減少への歯止め策でもあるともいえる。この点においては、自治体間競争が生じており、全体として東京の魅力は益々高まっているのではないだろうか。