2022年の公示地価レビュー 住宅地(板橋-3)
東武東上線・ときわ台 徒歩6分 常盤台1丁目(1低層)
板橋区の東武東上線ときわ台駅北口から440m(徒歩6分)の住宅地(板橋‐3)、常盤台2-24-5(住居表示)についてみます。用途地域は、第一種低層住居専用地域。現況は地積287㎡(86.8坪)、住宅、RC(鉄筋コンクリート造)2F B1。南6.0m区道に接道。指定建ぺい/容積率は50/100。公示地価は、609,000円/㎡(坪201.3万円)と前年比+0.7%。標準的使用、最有効使用ともに低層住宅地。
「区域外からの転入需要もみられる」とあるのは、高級住宅地としての需要が区内及び周辺区内だけでなく、広がりを見せていることを示しています。注文住宅が中心で、「200㎡程度の更地売りで1億円台前半~後半」とあるので、中央値を1.5億円とすると750,000円/㎡となり、坪250万円程度ということになります。
価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「区内の人口は微減傾向にある。不動産の取引件数は新型コロナウイルス感染症の影響により、一時期停滞していたが回復基調にある」
地域要因については、「住宅地域として熟成しており、地域要因に特段の変動はない」とあり、高級住宅地として安定的な状況にあることを示しています。都市計画で最低敷地面積が100㎡(1低層)と定められ、東京都のしゃれた街並み条例のガイドラインの最低敷地面積123㎡、板橋区の景観形成重点地区にも指定されていることから、6~7年前までにあった敷地細分化に歯止めがかかったことが背景にあると思われます。
地域要因の将来予測としては、「中規模戸建住宅が整然と建ち並ぶ優良な住宅地域である。特段の変動要因はなく、当面は現状のまま推移すると予測する」という指摘も高級住宅地として安定的な状況にあることを示していると言えそうです。
個別的要因については、「変動はない」としています。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については「対象地の近隣地域は区画整然とした高級住宅地に存し、戸建住宅が中心となるため、収益価格の相対的信頼性は劣る。比準価格は取引市場における市場性を反映しており、実証的な価格が得られた。一方で、収益価格は地価に見合う賃料の設定が難しく、低位に試算された。よって、収益価格を参考に留め、比準価格を採用し、鑑定評価額を上記の通り決定した」とあります。地域内には多区画所有者がおり、自宅の他に駐車場や低層共同住宅として利用する例もありますが、需要の中心は自己利用の戸建て住宅です。
[鑑定評価書2]では、市場の特性について「同一需給圏の範囲は、板橋区及びその周辺地域の東武東上線や東京メトロ有楽町線等の駅から徒歩圏内の居住環境が比較的良好な住宅地域である。主たる需要者は区内及びその周辺地域の比較的所得水準が高い層である。良好な居住環境を有する反面、最低限度の敷地規模等の行政的条件により、1区画の土地価格が1億円台になるなど高額になることから購買層が限られ需要が急騰することは無いが、供給量が少ないため価格は高止まりしている」とあります。敷地面積の最低限度等についての規制があることに言及があります。価格形成要因の変動状況は、一般的要因については「板橋区内の人口は微減、世帯数は微増傾向にある。不動産取引はやや増加、地価はやや上昇傾向にあるが、賃料は横ばい傾向にある」としています。地域要因については、「駅から近く区画整然とした住宅地域で、東武東上線沿線では最優良住宅地であり、地域要因に特段の変動はない」としています。地域要因の将来予測については、当該地域は主として敷地規模が大きい戸建住宅が区画整然と立ち並ぶ優良な住宅地域で、地域要因に特段の変動はなく、当面現状のまま推移するものと予測する」と安定的な推移を予測しています。「個別的要因に変動はない」としています。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、 「対象不動産の主たる需要者は自己利用を目的とした居住の快適性や生活利便性に着目した会社員などであり、付近に共同住宅があるものの賃貸収益を重視する度合いは低いと考えられる。ゆえに、実際に市場において取引された価格に着目した比準価格が賃料収益から導かれた収益価格より相対的に説得力が高いと判断した。したがって、本件においては比準価格を標準として収益価格を比較考量し、上記の鑑定評価額を決定した」とあります。
出典: 国土交通省 土地総合情報システム
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