2022 公示地価レビュー(商業地: 津5-5) – 津新町駅1.3km歩17分 丸之内(商業)

2022年の公示地価レビュー (商業地: 津 5-5)
近鉄名古屋線・津新町駅歩17分 丸之内(商業)

三重県の県庁所在地、津市の中心市街地である「大門・丸之内地区」の丸之内32-18(津5-5)について見ます。近鉄名古屋線・津新駅から1.3km(徒歩17分)。用途地域は商業地域。地積364㎡。利用現況は店舗、RC(鉄筋コンクリート造)4F B1。北25.0m(幅員) 県道に接道。指定建ぺい率/容積率は 80/500。公示地価は、114,000円/m²(坪37.7万円)と前年比-1.7%。近隣地域の標準的使用は中層店舗兼事務所地、標準地の最有効使用は4階建程度の店舗兼事務所地。

津城跡(お城公園)の周りに公共機関、企業のオフィスビル、店舗が並び、幅員の広い県道など道路インフラが整備されており、歴史・伝統に由来する風格を有した、整然とした街並みの商業地域です。稀少性を有する一方、津駅への接近性に劣る点がマイナス作用していると推定されます。JR・近鉄の津駅からは1.9kmと徒歩圏にはありません。

鑑定評価書1は、市場の特性について、「同一需給圏は津市及び周辺市の商業地域の存する圏域。中心的な需要者としては同一需給圏内の事業者のほかに広域展開する企業などからの引き合いも見込まれる。津市丸之内方面の中心部エリアの商業地には希少性もあるが、津駅前方面と比べて鉄道駅との接近性に劣る面もあり、標準地周辺の商業地需要にはやや弱さが窺われる。市場の価格帯は画地規模や物件用途などによりさまざまで、中心的な価格帯は一概には見出せない状況にある」とあります。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「県庁所在地である津市の人口は微減傾向。新型コロナの影響が徐々に緩和される中で、県内経済には持ち直しの動きも見られる」としています。

地域要因については、「大通り沿いの地域で一定の場所的希少性を保持するが、店舗等の本地域からの退出も見られる」とあります。地域要因の将来予測としては、「大通り沿いの既成商業地域であり、当面は概ね現況用途で地域推移するものと予測する」としています。個別的要因については、「変動はない」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については「本近隣地域は丸之内方面中心部の大通りに面した商業地域であるが、土地については収益性に基づく価格が市場価値として定着するには至っておらず、また標準地の如き土地の価格判断は取引市場の水準を注視して行われるのが一般的である。よって取引市場の動向を反映し説得力に富む比準価格を採用し、収益価格は参考にとどめ、鑑定評価額を上記のとおり決定した」とあります。

鑑定評価書2は、市場の特性について、「同一需給圏は津市及び周辺市に所在する商業地域である。需要者は、津市に地縁性を有する個人事業者から全国的な事業展開を行う法人まで想定される。市役所、裁判所などが建ち並ぶ市街地中心部に形成された業務地域であり、社会経済活動の回復も一部では見られるが、先行き不透明感は残る。なお、取引面積にばらつきがあり取引価格に幅が見られるため、中心となる価格帯は見いだせない」としています。

価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「今般の新型コロナの影響は緩和傾向。個人消費や生産活動等で回復が見られるが、変異株等で先行きは不透明。地価は回復傾向を示す」と、地価の回復傾向を指摘しています。

地域要因については、「社会経済活動の回復は見られるが、先行き不透明感は残るため、不動産取得意欲は慎重になっている。地価はほぼ安定的になりつつある」とし、地域要因の将来予測としては、「概ね現状での推移が見込まれる状況である。社会経済活動の回復が見られるが、新型コロナ以前の状況には至っていない。先行き不透明感は残るため今後の動向には注意を要する」としています。個別的要因については、「変動はない」としています。

試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については「近隣地域は市役所周辺の既成業務地域であり、原価法は適用しなかった。比準価格は市街地方面で成立した事例より試算され市場の取引実態を反映している。賃貸物件は駐車場等の利用条件により商業事業者向けの賃貸市場の成熟は総じて低い状況にあるため、収益価格は低位に試算された。収益価格を指標として取引されることは殆ど見られない地域の実情から、比準価格を重視し、収益価格は参考にとどめ、鑑定評価額を上記のとおり決定した」としています。

観光客を呼び込むための施策等、行政、民間による先導(イニシアティブ)が期待されるところです。

標準地番号:  津5-5
調査基準日:  令和4年1月1日
所在及び地番:  三重県津市丸之内429番外  地図で確認する
住居表示:  丸之内32−18
価格(円/m²):  114,000(円/m²)
交通施設、距離:  津新町、 1,300m
地積(m²):  364(m²)
形状(間口:奥行き):  (2.0:1.0)
利用区分、構造:  建物などの敷地、RC(鉄筋 コンクリート造) 4F B1
利用現況:  店舗
給排水等状況:  ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地の利用現況:  中低層の店舗、事務所が建ち並ぶ既成商業地域
前面道路の状況:  北 25.0m  県道
その他の接面道路:  西 側道
用途区分、高度地区、防火・準防火:  商業地域、 準防火地域
建ぺい率(%)、容積率(%):  80(%) 500(%)
都市計画区域区分:  市街化区域
 

出所: 国土交通省 土地総合情報システム

Comment by Kota Nakako

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