2022年の公示地価レビュー 住宅地(板橋-18)
副都心線・千川駅徒歩10分 大谷口 (1中高)
板橋区の東京メトロ副都心線千川駅から760m(徒歩10分)の住宅地(板橋‐18)、大谷口2-24-15(住居表示)についてみます。用途地域は、第一種中高層住居専用地域。現況は地積163㎡(49.3坪)、住宅(木造)2F。北4.0m 区道に接道。指定建ぺい/容積率は60/200。公示地価は、464,000円/㎡(坪153.4万円)と前年比+1.3%。標準的使用、最有効使用ともに低層住宅地。
鑑定評価書1は、市場の特性については、「同一需給圏は板橋区南部を中心に、東京メトロ有楽町線・副都心線、東武東上線沿線の住宅地域。需要者の中心は主に地縁的選好性を有する個人や不動産開発業者等である。千川駅から徒歩圏内に位置し、都心部への接近性にも優れるため、供給に比べ需要が多く、コロナ禍により一時停滞した不動産需要は持ち直している。需要の中心となる価格帯は新築戸建で6,500万円~7,500万円程度である」とし、千川駅徒歩圏の強みと不動産需要の持ち直しを指摘しています。
価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「コロナ禍の影響を受け、区内の人口は微減、世帯数は微増。不動産の取引件数は住宅地でやや増加しており、取引価格もやや上昇傾向で推移」としています。
地域要因については、「千川駅から徒歩圏内にある利便性の良い住宅地域で、地域要因に特段の変化は見られない」、地域要因の将来予測については、「 中小規模一般住宅、アパート等が建ち並ぶ住宅地域で、地域要因に特段の変化はなく、当面は現状のまま推移するものと予測する」としています。個別的要因には「変動はない」。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由については、「近隣地域は一般住宅、アパート等が建ち並ぶ住宅地域であるが、一般住宅を中心とした自用目的の取引が多数であり、収益性よりも居住の快適性、利便性を重視した取引が中心となっている。したがって、市場における実勢を反映した比準価格を標準に、収益価格を参酌し、代表標準地との検討を踏まえ、鑑定評価額を上記のとおり決定した」とあります。参考までに、比準価格は473,000 円/㎡であり、収益価格375,000 円/㎡に対して+26.1%です。
鑑定評価書2は市場の特性については、「同一需給圏の範囲は、千川駅、小竹向原駅を中心とした東京メトロ有楽町線・副都心線各駅から徒歩圏の住宅地域で、板橋区南部に広がる地域である。需要者としては、板橋区内に居住するなど地縁的選好性を有する戸建住宅需要者が中心であるが、区外からの転入もみられる。不動産需要はコロナ禍から回復しつつあり、供給に比して需要はより多くなっている。取引される不動産の中心価格帯は建売住宅で6,000万円~7,000万円程度である」としています。区外からの転入もみられるとしている点は注目です。
価格形成要因の変動状況については、一般的要因について「区内の人口は微減、世帯数は微増傾向で推移している。不動産の取引価格はやや上昇、住宅地の取引件数はやや増加している。賃料は横ばいである」としています。地価はやや上昇してますが、賃料に反映されるにはいたっていないようです。
地域要因については、「千川駅から徒歩圏の戸建住宅、アパート等が建ち並ぶ住宅地域で、地域要因に特段の変動はない」、地域要因の将来予測については、「中小規模の戸建住宅、アパート等が建ち並ぶ既存の住宅地域である。特段の変動要因はなく、当面は現状維持で推移するものと予測される」と変化を予測していません。「個別的要因に変動はない」としています。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由について、「アパートなど共同住宅等もみられるものの、主に戸建住宅が建ち並んでいる地域であり、自用目的の取引が中心である。比準価格が収益価格より高く試算されている点は、自用目的の取引が中心であり、市場性が収益性よりも高く評価されているためであると考えられる。よって、本件においては比準価格を標準とし、収益価格を比較考量して、代表標準地との検討を踏まえ、鑑定評価額を上記のとおり決定した」とあります。参考までに、比準価格は474,000 円/㎡は、収益価格378,000 円/㎡に対して+25.4%になっています。
比準価格が収益価格の+25%程度というのは、都心近郊住宅地としては妥当なプレミアムという印象です。
標準地番号
板橋-18
調査基準日: 令和4年1月1日
所在及び地番: 東京都板橋区大谷口2丁目24番3 地図で確認する
住居表示: 大谷口2−24−15
価格(円/m²): 464,000(円/m²)
交通施設、距離: 千川、 760m
地積(m²): 163(m²)
形状(間口:奥行き): (1.0:1.5)
利用区分、構造: 建物などの敷地、W(木造) 2F
利用現況: 住宅
給排水等状況: ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地の利用現況: 中小規模一般住宅、アパートが建ち並ぶ住宅地域
前面道路の状況: 北 4.0m 区道
用途区分、高度地区、防火・準防火: 第一種中高層住居専用地域、 準防火地域
建ぺい率(%)、容積率(%): 60(%) 200(%)
都市計画区域区分: 市街化区域
出典: 国土交通省 土地総合情報システム
Comment by Kota Nakako