2023 地価レビュー
板橋5-9 商業 常盤台2-6-5
地価公示での標準地は規模が小さい。大規模画地での開発の可能性
賃料は駅前の商業地としては割安か?
東武東上線ときわ台駅北口ロータリーに面した商業地。標準的画地の規模が130㎡程度とあるが、ロータリー沿いの金融機関、マンションは800㎡程度である。また、元スーパーのフェンテ(東武系)、URの跡地で現在平置き駐車場となっているロータリー東側約1000㎡(推定;東武鉄道所有)の今後の動向が注目される。戦前に東武鉄道が区画整理事業として開発した常盤台住宅地の玄関ともいえる16メートル道路を有する規模の大きいロータリー。2021年1日平均の乗降客数は37,998人とで板橋区内では大山駅の41,967人に次ぐ(5位)。常盤台の北に位置する前野町では従来よりマンション開発が進んでいる。近時、ロータリーコンサート、地元常盤山部屋のイベントなども開催されている。大山駅の立体化が2030年完成と計画されている。ときわ台~上板橋駅間の立体化が今後の課題。(KN)
収益価格におおむね見合った公示価格
収益価格/公示価格比は0.85でおおむね収益相応の公示価格の水準といえる。(KN)
令和5年公示価格: 1,090,000円/㎡ 前年比+1.9%
所在及び地番並びに「住居表示」等: 板橋区常盤台2丁目6番7 「常盤台2-6-5」
地積:105㎡
法令上の規制等: 商業(80, 500) 防火、高度地区最高35m、景観形成重点地区 (100,500)
形状: 1:2.5
敷地の利用の状況: 店舗兼事務所 RC4F1B
周辺の土地の利用の状況: 中層の店舗、銀行等が混在する駅前の商業地域
接面道路の状況: 南東15m区道、背面道
供給処理施設状況: 水道、ガス、下水
主要な交通施設との接近の状況: 東武東上線ときわ台駅 70m
範囲: 東20 m、西40 m、南50 m、北0 m
標準的使用 中層店舗兼事務所地
標準的画地の形状等: 間口約7.0 m、奥行約18.0 m、規模130 ㎡程度、形状 長方形
地域要因の将来予測: 駅前ロータリーに面し、中層の店舗兼事務所等が建ち並ぶ商業地域である。老朽化した建物の建替が徐々に進むとみられるが、当面は現状を維持すると思料する。
最有効使用の判定: 中層店舗兼事務所地
鑑定評価の手法の適用
取引事例比較法 比準価格 1,150,000 円/㎡
収益還元法 収益価格 924,000 円/㎡
市場の特性:
同一需給圏の範囲は、板橋区を中心に城北・城西エリア一円に所在する鉄道沿線各駅から至近の駅前商業地域である。対象標準地は高級住宅地を背後に控えたときわ台駅前の商業地域であり、日用品のスーパー、チェーン展開の飲食店や教育・医療等各種サービス関連の小売店等が立地する。中心的需要者は、東武東上線沿線に地縁的選好性を有する事業者やチェーン展開の法人、貸しビル業者などで、取引価格帯は土地で1~2億円程度である。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由:
比準価格は、同一需給圏内に存する利用状況等が類似した取引事例から求められた価格で、概ね規範性が高い。一方で、収益価格は現実の利用状況にかんがみ最有効建物を想定して求めた価格である。小規模店舗・営業所等が混在する地域であるが収益物件の取引は少なく自用目的の取引が主体の地域であることから、比準価格を重視して収益価格を参考とし、鑑定評価額を上記のとおり決定した。
価格形成要因の変動状況:
[一般的要因] 区内の人口は横這い、世帯数はやや増加傾向で、取引件数は横ばい傾向にある。賃料は横ばい傾向、取引価格は上昇傾向を示している。
[地域要因] 特段の地域要因の変動はない。
[個別的要因] 個別的要因につき特別の変動は見られない。
(参考)
想定建物の状況
用 途:店舗兼事務所
建築面積(㎡):75.56
構造・階層:RC6F1B
延床面積(㎡): 513.71
想定建物の概要: B1から2階を店舗、3階以上はフロア貸しの事務所として想定。
有効率の理由91.9 %の理由: 地域の標準的有効率を採用した
建物等の初期投資額: 171,000,000 円
算 出 根 拠: 320,000 円/㎡ × 513.71 ㎡ × (100% + 設計監理料率 4.00 %)
(建築費 坪約110万円)
想定賃料:
有効面積(㎡) 月額支払賃料(円/㎡) 月額支払賃料(円)
1F店舗 64.52 4,640 299,373
2F店舗 68.58 3,450 236,601
3~6F事務所 68.58 3,300 226,314
地下1F店舗 64.52 3,300 212,918
計 471.94 1,654,146
還元利回り: 4.1%
鑑定評価書 (mlit.go.jp) を元にKN作成
以上
By Kota Nakako
2023/4/20