短歌で読むケインズ「一般理論」-6-s-6 Reading Keynes’s ‘General Theory’ by Tanka-6-s-6
今日のミクロ経済学では「使用者費用」、または「限界使用者費用」という用語はでてきません。しかし、ケインズは言います。
「現代の価値理論においては、短期供給価格は、限界要因費用とのみ等しいとするのが慣行となっている。しかし、これは限界使用者費用がゼロである、又は、供給価格が限界使用者費用を差し引いた上での供給価格として定義された場合にのみ正しい。つまり、前述したように、売上収益(“proceeds”)と総供給価格(“aggregate supply price”)が、総使用者費用(aggregate use cost)を差し引いたものとして定義された場合にのみ適正である。」
Now in the modern theory of value it has been a usual practice to equate the short-period supply price to the marginal factor cost alone. It is obvious, however, that this is only legitimate if marginal user cost is zero or if supply price is specially defined so as to be net of marginal user cost, just I have defined “proceeds” and “aggregate supply price” as being net of aggregate user cost.
ケインズが補論を設け、ここまで詳細かつ執拗に説明していることがむしろ興味深いことです。ケインズの意図を解明するために追っていきたいと思います。
TBC
by Kota Nakako