2023 地価レビュー
鈴鹿5-1 商業
東名、名神など優れた高速道路インフラ
東京から首都高、東名高速、新東名高速、伊勢湾岸自動車道の鈴鹿ICを出て県道を約15分。車で約5時間(休憩含め6~7時間)、高速道路でほぼ一気通貫で到達できる。道路インフラに優れており、産業集積地である亀山にも近い点が魅力と思われる。
公示価格: 47,800 円/㎡ 前年比-0.4 % 微減
所在及び地番:鈴鹿市神戸1丁目762番外
住居表示:鈴鹿市神戸1-12-30
地積:762㎡
敷地の利用の現況:店舗S2(木造2階建て)
周辺の土地の利用状況:中低層の店舗が建ち並ぶ商業地域
接面道路の状況:西11m市道
供給処理施設の状況:水道、下水
主要な交通施設との接近の状況: 近鉄鈴鹿線・鈴鹿市駅100m(歩2分)
法令上の規制等: 商業(80,300)
(近隣地域)
範囲:東50m、西50m、南80m、北50m
標準的使用:店舗兼事務所地
標準的画地の形状等:間口約35.0m、奥行約22.0m、規模770㎡程度 形状:ほぼ長方形
公示価格水準での単純な収益目的の投資は難しい(推定)
地域要因の将来予測:「鈴鹿市駅に近接する既成商業地域として現況での推移が予測されるが、大規模小売店舗への顧客流出等からやや衰退傾向にあり、商業地需要は弱含みが継続」とある。大規模小売店舗というのはイオンモール鈴鹿(当標準地から車で11分と至近)と推定される。
最有効使用の判定:店舗兼事務所地(標準的使用と同じ)
鑑定評価の手法の適用:
取引事例比較法 比準価格 47,800 円/㎡
収益還元法 収益価格 17,200 円/㎡
市場の特性:「同一需給圏は、鈴鹿市及びその周辺市の商業地域である。主たる需要者は、圏内の個人事業主及び法人事業者等である。鈴鹿市駅等への接近条件に優れる既成商業地であるが、大規模小売店等への顧客流出等により繁華性はやや停滞しており、商業地需要も反転には至っていない。中心価格帯は画地規模、条件等により一様でなく、やや把握困難である」とある。
収益価格は、公示価格の36%程度と低く、公示価格水準での単純な収益目的での投資は厳しいと推定。
イオンモール鈴鹿との競争と補完
イオンモール鈴鹿への需要シフト(推定)の影響を受けている。イオンモールは、地方都市にコミュニティーのコアとなるショッピングモールを積極的に展開しており、衰退市場において圧倒的シェアを獲得する戦略をとっている。イオンモール鈴鹿(推定)との競争に直面しているが、これは必ずしも悪いことばかりとは言えない。地域としての利便性、魅力度が向上が高まると推定される。
価格形成要因の変動状況:
[一般的要因] 「当市における総人口は、概ね微減傾向が継続。新型コロナの影響等は緩和し、市内の地価は一部に安定化傾向も見られる」とある。人口減少は、日本全体の問題であるが、地方都市において大きな課題であろう。
[地域要因] 「駅に近い既成商業地域として地域要因に特段の変動はないが、大規模小売店舗への顧客流出等から繁華性はやや低迷」とある。
[個別的要因] 「個別的要因に変動はない」とある。
(参考) 収益価格算定にあたっての前提
想定建物:店舗兼事務所、建築面積250.00m、S3(鉄骨3階建て)、延床面積750.00㎡
1階店舗(フロア貸し)、2階及び3階は事務所(部分貸し)を想定。
有効率:93.3% 内部階段、廊下等の共用部分があるため
想定建物の初期投資額:105,000,000円
算出根拠:136,000 円/㎡ × 750.00 ㎡ × (100% + 設計監理料率3.00%) 坪当り約45万円
想定賃料(1㎡当り月額支払賃料):1F 1,653円、2F 1,350円、3F 1,240円
還元利回り: 5.2%
以上
By Kota Nakako
2023/6/22